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甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)|目黒区、品川区|むさしこやま駅前内科・糖尿病クリニック

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

こんな症状、甲状腺機能亢進症かもしれません

  • 人より暑がりである
  • 汗をたくさんかく
  • 動悸や息切れを感じる
  • イライラし、落ち着かない
  • よく食べているのに体重が減っている
  • 手足が震える
  • 首が腫れている
  • 目が出てきて目つきがきつくなった
  • 疲れやすい

このような症状を感じたら、甲状腺機能亢進症かも知れません。

当院の院長は内分泌代謝科専門医です。少しでも気になれば、お気軽にご来院ください。

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺ホルモンは細胞や組織の新陳代謝を促す働きを担っています。甲状腺ホルモンの分泌が増えることによって、脳や心臓、胃腸の活動を促進したり、交感神経を刺激したりすることで身体活動を活発にする働きを持っています。

正常な状態の場合、甲状腺ホルモンはその量が一定範囲内に保たれるように、脳下垂体で分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調整されています。ところがこの調節がうまくいかず、甲状腺ホルモンの分泌量が過剰な状態になることを甲状腺機能亢進症といい、先に挙げた様々な症状が引き起こされます。

甲状腺機能亢進症で代表的な疾患として、バセドウ病があります。

バセドウ病の原因

人物

バセドウ病は、自分の体を守るための仕組みである“免疫”が、甲状腺に反応してしまうことで起こる自己免疫疾患です。本来であれば外部からのウイルスや細菌などに対抗するための免疫システムに何らかの異常が起こり、甲状腺を刺激する「自己抗体」(TSHレセプター抗体:TRAb)ができてしまうため、甲状腺が常に刺激を受け、際限なく甲状腺ホルモンが作られ、過剰な状態(甲状腺機能亢進症)になってしまいます。

この自己抗体が作られてしまう原因は詳しくは分かっておらず、遺伝的なものに加えて、ストレスや過労などの環境要因が関わっていると考えられています。また妊娠や出産といった体内環境が大きく変化するタイミングで発症する例もありますので、いつもと少し違うな、と思ったら、しっかりと検査を受けて適切な治療を受けていただくことが大切です。

バセドウ病は女性に多く発症する病気で、男性1人に対して女性の発症割合は5人~6人であることが分かっています。また年齢別では20歳台~50歳台の発症例が多く、中でも30歳台~40歳台が特に発症率が高いとされています。1000人の中に2人~6人程度の頻度で発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。

バセドウ病の検査と診断

バセドウ病の検査は、血液検査により甲状腺ホルモン(FT3、FT4)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度を調べます。バセドウ病の場合、FT3・FT4値は高値になり、一方でTSH値は甲状腺ホルモンが過剰にあるために休眠状態となり、低値となります。

また同様に血液検査で自己抗体のTSHレセプター抗体(TRAb)の有無を調べ、陽性の場合にはほぼバセドウ病であると診断できます。

甲状腺機能亢進症の治療

甲状腺機能亢進症の治療は、大きく「薬物療法」「アイソトープ療法」「手術療法」の3つに分けられます。

薬物療法

薬

抗甲状腺薬というお薬を定期的に服用し、甲状腺ホルモンの合成を抑えることで、過剰となっている血液中の甲状腺ホルモンの量を正常にする治療です。最も一般的な治療方法であり、この治療を始めてから1~3か月で甲状腺ホルモンは正常になる方が多いです。

この治療のメリットは何といっても薬を飲み続けるだけで治療ができるという簡便さです。一方デメリットは治療が長期間となること(治療が必要なくなるまでに2~3年かかることが多いです)、再発する場合があること、稀ですが副作用が起こる場合があることです。

抗甲状腺薬の副作用として、発疹、かゆみ、肝機能障害などがあります。また、ごく稀ではありますが無顆粒球症といって、放っておくと命にかかわるような副作用が起こることもあります。抗甲状腺薬を開始してから最初の3か月は特にまめな定期受診が必要で、2週間ごとの通院と血液検査を受けることが大切です。

アイソトープ療法

抗甲状腺薬による治療の効き目が芳しくない場合や、副作用が強く出てしまう場合に選択されることがある治療法です。放射線を出す性質をもったヨウ素(放射性ヨード)のカプセルを飲むことで甲状腺の細胞を破壊し、甲状腺ホルモンの分泌量を抑えます。

放射線と聞くと怖いイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、甲状腺だけをターゲットにするよう設計されていますので、一般的にイメージするような怖い副作用を引き起こすことはありません。

治療期間が抗甲状腺薬の治療よりも短期間であり再発もしない治療であることがメリットですが、放射性ヨードによる甲状腺細胞の破壊は長期間続くため、将来的には逆に甲状腺機能低下症の状態になり、今度は甲状腺ホルモン製剤を飲み続けなくてはいけなくなります。そのため適応は慎重に判断する必要があります。また妊娠中・妊娠の可能性のある患者さん、授乳中の患者さんには行うことができません。

手術療法

甲状腺の一部を残して、外科的に切除する治療法です。特に甲状腺の腫れがひどい場合や、抗甲状腺薬による効き目が芳しくない場合、副作用が強く出てしまう場合に選択されます。アイソトープ療法と同様、抗甲状腺薬治療よりも短期間での治療が可能であり、再発もしない方法ですが、将来的に甲状腺機能低下症を引き起こしてしまうリスクがあります。また外科的な治療のため、のどに小さな傷が残ります。

当院の院長は内分泌疾患の専門医として、患者さんお一人おひとりの症状や重症度、生活環境に合わせて最適な治療を選択し、ご提案いたします。気になる症状のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

日常生活で気を付けていただきたいこと

バセドウ病をはじめとした甲状腺機能亢進症では、新陳代謝が病的に良すぎる状態のため、心臓に大きな負担がかかります。頻脈・不整脈といった病気も起こりやすくなっていますので、症状が落ち着くまではなるべく無理をせず安静にしていただくことをお願いします。

睡眠不足やストレス、過労といった体への負担は症状を悪化させる原因になりますので、なるべく避けましょう。

お食事には特に制限はありませんが、喫煙は絶対に避けるようにしてください(バセドウ病を悪化させたり、眼の症状を悪化させたりすることがあります)。

運動については、甲状腺機能が回復してくるまでは激しい運動は控えるようにしましょう。機能が回復し、安定してくることで、健康な人と全く変わらず運動ができるようになります。

抗甲状腺薬を内服されている方は、必ず医師の指示に従って服用するようにしてください。お一人おひとりの症状に応じた量を処方していますので、決められた量が守られていないと効果が期待できなくなります。また飲み忘れてしまうと症状が急に強く出てくることがありますので、注意が必要です。

よくある質問

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の初期症状は?

バセドウ病では代謝に関わる甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるため、以下のような症状が起こります。

  • 目が出てきて目つきがきつくなった
  • 汗をたくさんかく
  • 動悸や息切れを感じ、疲れやすい
  • イライラし、落ち着かない
  • たくさん食べているのに体重が減っている
  • 首が腫れている
バセドウ病の治療方法は?

バセドウ病の治療には薬物療法、放射性ヨウ素(131I)治療、手術療法の3種類があります。
通常の日常生活を送りながら治療ができることから薬物療法を第一選択の治療として開始する場合が多いですが、それぞれの治療方法で利点・欠点がありますので医師とよく相談いただくことが大切です。

バセドウ病はどのくらいで治る?

薬物療法の場合、ほとんどの方は1〜3ヵ月で甲状腺ホルモンが正常の状態に戻ります。ただし治療自体は長期間継続する必要があります(2〜3年かかる場合が多いです)。